免疫の鍵をにぎるのは腸

NHKで放送されていた「人体シリーズ」では、今までは脳が司令塔になって各臓器をコントロールしていると考えられてきましたが、最新科学では、臓器同士が互いに情報交換して生命を維持していると伝えています。

その会話を知れば若さや美しさを保つ秘訣が見えるだけでなく、その会話の異常が病気を引き起こすこともわかってきました。

は単に食物の消化・吸収するだけでなく、免疫を司る大切な臓器であると説明しています。今話題の腸内細菌が、腸に集結する免疫細胞と不思議な会話を交わしながら、私たちの体を様々な病気から守る免疫をコントロールしているということです。

ところが近年、腸の免疫細胞が暴走し、本来攻撃する必要のないものまで攻撃してしまう異常が、現代人の間に急増しています。それが様々なアレルギーや自己免疫疾患と呼ばれる病気です。

こうした「免疫の暴走」を防ぐカギは食物繊維ということです。

農耕民族である日本人は、古くから食物繊維を豊富に含む食事してきました。長い年月の間に日本人の腸内には良い腸内細菌が住み着くようになったと考えられています。ところが、最近の日本人の食生活は様変わりして食物繊維の摂取量が減ってきています。こうした急激な食の変化が、長い時間をかけて日本人の腸と腸内細菌が築き上げてきた関係性が対応しきれず、アレルギーや自己免疫疾患などの「免疫の暴走」を増加させるような異変の一因となっている可能性を研究者たちは指摘しています。

花粉症やアトピーなどのアレルギーでお悩みの方は、食生活を見直してみませんか。